初級

【Excel】平均値の出し方 AVERAGE関数を使った求め方


(約文字)

2018-05-11 2019-07-23

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  • Excel
  • 平均値
  • 出し方
  • 求め方
  • AVERAGE関数
【Excel】平均値の出し方 AVERAGE関数を使った求め方

【Excel】平均値の出し方 AVERAGE関数を使った求め方

  • 「エクセルで平均値の出し方が解らない」
  • 「平均値の求め方は?その方法は?」
  • 「Excelで平均値の関数は何を使うの?」

これらを解決するのがAVERAGE関数です。

この記事を読めば、エクセルでの平均値の求め方に関する様々な疑問について、初心者の方でも理解して頂けると思います。

平均値の求め方の基本だけでなく、更に、とびとびのセル番地や別シートにあるセル範囲の指定方法、0(ゼロ)や空白・空欄を除く平均値の出し方、求めた平均の小数点以下の四捨五入・切り捨て・切り上げ処理、時間の平均値の出し方、平均値と標準偏差の違いも解説します。

説明に使ったエクセルファイルです。ダウンロードして自身の端末で確認してみてください。

1.【知識】平均値とは?

「平均値」は小学校の算数で習いますが、念の為おさらいしましょう。

平均値の求め方は「観測値の総和」を「観測値の個数」で割ったものです。

簡単に言えば「対象の合計」を「対象の数」で割ったものが平均値です。

平均値とは何か?おさらい

例えば、Aさん60kg、Bさん50kg、Cさん40kgの3名がいたとして平均の体重を求める場合、以下の手順で計算します。

  • 【手順①】体重の総和(対象の合計)を求める→60kg+50kg+40kg=150kg
  • 【手順②】観測の個数(対象の数)を数える→3人
  • 【手順③】①体重の総和を、②観測の個数で割りる→150kg÷3人=50kg

これが平均値の求め方になりますが簡単ですね。

2.【基礎】Excelで平均値を求める

エクセルで平均値を求めるにはAVERAGE関数(アベレージ カンスウ)を使います。

平均年収、平均寿命、平均体重、平均身長、平均貯蓄額など、様々な平均を求めるのにAVERAGE関数が使えます。

対象に0(ゼロ)や空白・空欄を含んでいたり、対象の数量が増減したり、結果の丸めも簡単に対応できます。

3.【基礎】AVERAGE関数の書式

対応バージョン

  • Excel365
  • Excel2019
  • Excel2016
  • Excel2013
  • Excel2010
  • Excel2007

基本構文

AVERAGE関数の基本構文は、以下の様に指定します。

=AVERAGE(数値)

引数

AVERAGE関数の引数である「数値」には、平均値を求める対象の「値」「セル番地」「関数」「数式」を指定します。

引数(数値)は、最大255個まで指定できます。

複数指定する場合は「,」カンマ記号で区切ります。

例えば、「=AVERAGE(10,A1,SUM(B1:B3),C1+C2)」等と指定します。

関数入力

AVERAGE関数の入力方法として、以下のショートカットのボタンが用意されています。

【Excel】AVERAGE関数の指定方法:ショートカット

AVERAGE関数を入力したいセルを選んで上記のボタンをクリックすると、ABERAGE関数の引数入力待ちの状態になります。

4.【基礎】AVERAGE関数の引数(数値データ)の指定方法

AVERAGE関数の引数に指定する、平均値の計算の対象となる数値データの指定方法は、大きく分けて4つあります。

  • 【範囲指定①】連続したセル範囲の場合
  • 【範囲指定②】とびとびに離れた個別のセル番地の場合
  • 【範囲指定③】とびとびに離れた連続したセル範囲の場合
  • 【範囲指定④】別シートのセル範囲の場合

それぞれの指定方法を説明します。

【範囲指定①】連続したセル範囲の場合

平均の対象となるデータや値が、連続したセル範囲に入力されている場合は、半角の「:」(コロン記号)を使い指定します。

例えば、セルA1~F5の範囲に平均を求めたいデータが入力されている場合は、以下の様に指定します。

=AVERAGE(A1:F5)

【Excel】AVERAGE関数の引数指定:平均を求めたい数値データが、連続したセル範囲の場合

【範囲指定②】とびとびに離れた個別のセル番地の場合

平均の対象となるデータや値が、とびとびに離れた個別のセル番地に入力されている場合は、半角の「,」(カンマ記号)を使い指定します。

例えば、セルA1、セルC3、セルE5に平均を求めたいデータが入力されている場合は、以下の様に指定します。

=AVERAGE(A1,C3,E5)

【Excel】AVERAGE関数の引数指定:平均を求めたい数値データが、とびとびに離れた個別セル番地の場合

【範囲指定③】とびとびに離れた連続したセル範囲の場合

平均の対象となるデータや値が、とびとびに離れた連続したセル範囲に入浴されている場合は、半角の「:」(コロン記号)と半角の「,」(カンマ記号)を組み合わせて指定します。

例えば、セルA1~A3の範囲とセルC2~D4の範囲とセルF3~F5の範囲に平均を求めたいデータが入力されている場合は、以下の様に指定します。

=AVERAGE(A1:A3,C2:D4,F3:F5)

【Excel】AVERAGE関数の引数指定:平均を求めたい数値データが、とびとびに離れた連続したセル範囲の場合

【範囲指定④】別シートのセル範囲の場合

平均の対象となるデータや値が、別シートの連続したセル範囲に入力されている場合は、半角の「!」(カンマ記号)と半角の「:」(コロン記号)を組み合わせて指定します。

例えば、シート名が”別シート”で、セルA2~B4の範囲に平均を求めたいデータが入力されている場合は、以下の様に指定します。

=AVERAGE(別シート!A2:B4)

【Excel】AVERAGE関数の引数指定:平均を求めたい数値データが、別シートのセル範囲の場合

5.【応用】AVERAGE関数の計算の対象/非対象

AVERAGE関数の引数へ指定する内容には以下の2種類があります。

  • ・平均の計算の対象にならないもの
  • ・平均の計算の対象になるもの

もしAVERAGE関数の答えがおかしな場合は、この辺を確認してみると解決する可能性が有ります。

エクセルのAVERAGE関数の対象外となる内容「文字列」「空白セル」「論理値(TRUE/FALSE)」

AVERAGE関数の計算対象にならないもの

  • ×:文字列(例えば、あいうえお)
  • ×:空白セル/空欄セル("")
  • ×:論理値(TRUE/FALSE)

AVERAGE関数の計算対象になるもの

  • :0(ゼロ)

※"0(ゼロ)"を除外して平均値を求める方法は、次項で解決します。

6.【応用】"0(ゼロ)"を除外した平均値の出し方

AVERAGE関数の引数である値に0(ゼロ)が含まれていると答えである平均値に影響します。

もし"0(ゼロ)"を除外(無視)して、平均値を求めたい場合は「AVERAGEIF関数」を使います。

AVERAGEIF関数は「AVERAGE関数」と「IF関数」を組み合わせたもので、ある条件に従って平均値を求めることが出来る関数です。

AVERAGE関数で0(ゼロ)を除外して平均値を求める方法-新しいエクセルの場合(Ver.2007以降)

対応バージョン

  • 365
  • 2019
  • 2016
  • 2013
  • 2010
  • 2007

指定方法

例えば、平均を求めたいデータがセル範囲(A1~F5)に入力されている場合、データの中にある0(ゼロ)を除いた値の平均を求めるには、以下の様に指定します。

=AVERAGEIF(A1:F5,"<>0")

「"<>0"」が「ゼロを除く」という意味を表します。

7.【応用】AVERAGE関数で求めた平均値を丸める方法

AVERAGE関数の答えを丸める(四捨五入、切り捨て、切り上げ)にはROUND関数等を使います。

例えば、平均の対象となる数値がセルA5~B7に入力されていて、求めた平均値を小数点第1位まで求めたい場合、以下の様に指定します。

9-1.AVERAGE関数で求めた平均値を四捨五入する

=ROUND(AVERAGE(A5:B7),1)

ROUND関数の引数にAVERAGE関数を指定すると、AVERAGE関数の計算結果がROUND関数に引き渡されて、四捨五入されます。

9-2.AVERAGE関数で求めた平均値を切り捨てする

=ROUNDDOWN(AVERAGE(A5:B7),1)

ROUNDDOWN関数の引数にAVERAGE関数を指定すると、AVERAGE関数の計算結果がROUNDDOWN関数に引き渡されて、切り捨てられます。

9-3.AVERAGE関数で求めた平均値を切り上げする

=ROUNDUP(AVERAGE(A5:B7),1)

ROUNDUP関数の引数にAVERAGE関数を指定すると、AVERAGE関数の計算結果がROUNDUP関数に引き渡されて、切り上げられます。

この様に、関数の引数に関数を指定することを入れ子(ネスト)と言います。

入れ子(ネスト)を覚えると、一つのセル内で計算をまとめて出来るので、表の見た目がシンプルになりやすいです。

8.【応用】Excelで時間の平均値の出し方

エクセルで時間の平均値の出し方は、通常の値と同じく計算が可能です。

但し、時間を扱う場合には、2つの注意点があります。

  • 【注意点1】時間の入力は「時:分:秒」と入力する必要がある
  • 【注意点2】「24時間」「60分」「60秒」でゼロにリセットされる

【注意点1】時間の入力は「時:分:秒」と入力する必要がある

注意点の一つ目は、エクセルのセルに時間を入力する時には、「時:分:秒」と入力する必要があります。

もしセルに「1:23」と入力すると、1時間23分00秒として認識します。

1分23秒としたいなら、セルに「0:1:23」と入力します。

【注意点2】「24時間」でゼロにリセットされる

注意点の二つ目は、エクセルで時間を計算すると「24時間」でいったんゼロにリセットされてしまうということです。

例えば、時間を足し算する場合、13:00:00+13:00:00=26:00:00ですが、エクセルでは2:00:00と表示されてしまいます。

これを26:00:00と表示するにはユーザー定義を以下の様に指定します。

セルを選択>【Ctrl】+【1】>[表示形式]タブ>[分類]ユーザー定義>[種類]:G/標準を消して [h]:mm:ss 又は [hh]:mm:ss を指定>[OK]

これで24時でゼロにリセットされず、24時間以上の時間(例えば、26時間)を表示ができます。

9.【参考】Excelで関数を使わない平均の出し方

平均値はエクセルの画面上にリアルタイムで表示されている

平均値は、常にリアルタイムでエクセル画面の「ステータスバー」に表示されています。

平均値はエクセルの画面上にリアルタイムで表示されている

ステータスバーに表示される情報は6種類

ステータスバーに表示される情報は、平均だけでなく以下の6種類あります。

  • ・平均
  • ・データの個数
  • ・数値の個数
  • ・最小値
  • ・最大値
  • ・合計

これらを表示させるには範囲を指定すればOKです。

ステータスバーに「平均」「合計」等の情報が表示されない場合の対処方法

もし「平均」などが見たい情報が表示されない場合は、ステータスバーの緑色の部分を右クリックし、該当する情報にチェックが入っているかを確認してください。

ステータスバーに「平均」「合計」等の情報が表示されない場合の対処方法

10.【参考】平均値と標準偏差

平均値と標準偏差の違い

平均値

”平均値”とは、全体の中心がどこわかりますが、「値が中心部に集まっている」のか「全体にばらついている」のかは分かりません。

標準偏差

”標準偏差”とは、平均からのデータの散らばり具合(ばらつき)を表す事ができる値です。

標準偏差を求めるエクセルの関数

エクセルには、標準偏差を求める関数が用意されています。

計算の対象とする値の選び方で「標本(サンプル)の標準偏差(s)」と「母集団の標準偏差(σ)」の2種類があります。

標本(サンプル)の標準偏差は「STDEV関数STDEV.S関数(Excel2010以降のみ)」で求めることが出来ます。

母集団の標準偏差は「STDEVP関数STDEV.P関数(Excel2010以降のみ)」で求めることが出来ます。

11.【参考】平均値(アベレージ)と中央値(メジアン)と最頻値(モード)

平均所得のニュースを目にすることがあります。

高度成長期の給料分布は「平均値」で表す

国民の給料分布が富士山の形の様に、左右対称であれば「平均値(アベレージ)」で表すのは妥当です。

例えば、日本の高度成長期(1955年から1973年頃)の給与は、左右対称の形に分布していたので「平均値」で表すのは妥当でしょう。

0000万円台 ■
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格差社会の給料分布は「中央値」や「最頻値」で表す

しかし、山の形が左右でいびつな場合は、平均値でなく「中央値(メジアン)」や「最頻値(モード)」で考える必要があるかもしれません。

例えば、日本の格差社会における給与分布は、左右非対称の形に分布しているので平均値で表すのではなく「中央値」や「最頻値」で表すのが妥当かもしれません。

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ちなみに、エクセルで中央値(メジアン)は「MEDIAN関数」を、最頻値(モード)は「MODE関数」で求められます。

今後、所得の少ない人が増え、人口減少は確実なので、将来の年金が2000万円不足する等の情報もありとても不安ですね。

「iDeCo」や「つみたてNISA」等を活用して、若いうちから老後のお金を準備することをおすすめします(私も楽天証券でやってます)。

まとめ

このページでは、エクセルの「平均値」について、以下を解説してきました。

  • ・平均値とは「観測値の総和」を「観測値の個数」で割ったもの
  • ・Excelで平均値を求め時に使うのはAVEGERA関数
  • ・AVERAGE関数の基本構文は「=AVERAGE(数値)」
  • ・AVERAGE関数の数値データの指定は「:」「,」「!」を使い指定する
  • ・AVERAGE関数の計算の対象になるのは0(ゼロ)、ならないのは文字列、空白/空欄セル、論理値
  • ・"0(ゼロ)"を除外した平均値を出す場合にはAVERAGEIF関数を使う
  • ・ROUND系の関数の引数にAVERAGE関数を入れ子(ネスト)すると答えが丸められる
  • ・Excelで時間の平均値の出し方の注意点は、入力は「時:分:秒」とする 「24時間」「60分」「60秒」でゼロにリセットされる
  • ・Excelで関数を使わないで平均を出す方法は画面一番下のステータスバーに表示される

ご理解いただけましたでしょうか?

次は、あなたが実際にエクセル上で実際に作業してみて下さい。 自分の手を動かすことが、パソコンスキル向上の近道です。

この記事は以上です。