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QC7つ道具/新QC7つ道具
QCストーリー


(約文字)

2019-01-07 2019-03-07

QC7つ道具、新QC7つ道具、QCストーリーのまとめ

QC7つ道具、新QC7つ道具、QCストーリーのまとめ

日本では製造業などでよく行われているQCサークル活動ですが、これには(旧)QC7つ道具、新QC7つ道具、QCストーリーなどがあります。これらについて自分の勉強や頭の整理も兼ねて、一つのWEBページにまとめてみました。

1.QCとは

QCとは

QCとは、品質管理(Quality Control)の略で、製造業等において、製品やサービスの品質を一定水準に保つように、データを分析・評価し改善や処置をすることです。 受注→設計→購買→製造→検査→販売→調査→サービスの各プロセスで、担当する部門によって実施される活動です。QCサークルなどのチームを作って活動を行ったりします。

このQCでは使う道具があり、(旧)QC7つ道具、新QC7つ道具があります。又、QC活動を進めるにあたり、解決したい課題によって進めるストーリーが決まっているので、誰でも進めやすくなっています。 そこでまずは新旧7つ道具の紹介と、課題別ストーリーを紹介していきたいと思います。

2.(旧)QC7つ道具

QC7つ道具は、数値で表せる事柄(定量的)の分析に利用するツールです。数値データを視覚的に表すことで、上司や同僚に内容を伝わりやすくしたり、問題点を把握しやすくすることが可能です。 QC7つ道具には「チェックシート」「パレート図」「管理図/グラフ」「ヒストグラム」「特性要因図」「散布図」「層別」があります。

チェックシート

QC7つ道具:チェックシート

チェックシートとは、日常や調査の情報を得るために、あらかじめ「枠」や「チェック項目」等を書き込んだ様式やフォーマットのことで、データを手際よく収集したり整理しやすくしたものです。 データが簡単に取得でき、複数のチェックシートからでもデータが整理しやすく、どの項目に集中しているか、わかりやすいシートです。

個人でもToDoリスト等で活用されている方も多いですし、ものづくり企業では設備の日常点検シートや、製品の検査・試験項目一覧など、様々な場面でよく利用されるツールです。

パレート図(ABCチャート)

QC7つ道具:パレート図

パレート図とは、全体の中で大きな影響を占めるものが何であるかを明確にし、重要な問題を特定するためのもの。 項目別にデータの数量が多い順に並べてあるので重要な内容が一目でわかりやすいです。 この図で言えばA>B>Cの順で重要度が表されていて、項目が不良原因であればAに対して対策すれば、高い効果がえられるという事になります。

「80:20の法則」ではAの部分を重視する考え方で、全体の80%を占めるのは20%の項目であるというのが発見されたということです(但しこの図は80:20になっていません...)。 「ロングテール」ではCの部分を重視する考え方で、恐竜の尻尾の部分にフォーカスしてビジネスをしても成功するというAmazonのビジネスモデルの下になる考え方です。

管理図/グラフ

QC7つ道具:管理図/グラフ

管理図とは、工程が「正常か」「異常か」を客観的に判断し、工程を安定状態に保つためのものです。管理図はデータが時系列に並ぶので異常がいち早く発見できて予防処置に繋がる。 上図では管理図のひとつであるXbar-R管理図というもので、”エックスバーアール”と読みます。Xbarの部分がサンプルの平均値を表し、Rの部分がサンプルの範囲(最大値-最小値)を表します。 UCLは上方管理限界 (UCL, Upper Control Limit)、LCLは下方管理限界 (LCL, Lower Control Limit) で、管理線です。この線を越えれば異常が発生しているのが見えます。 又、連続した上昇傾向や下降傾向、中心線より上部又は下部に連続して偏ったりしている場合も、事前に異常を察知することも可能です。

グラフは、棒、折れ線、円、帯等、種類が豊富なので、データを一目でわかるようできます。

ヒストグラム

QC7つ道具:ヒストグラム

ヒストグラムとは、データを階級ごとに区分して積上げたもので、工程の偏りやバラツキを見るものです。全体がどんな姿をしているのか、どんなばらつきがあるのかが一目でわかります。 姿には型があり、「正常型」「はみだし型」「片寄り型」「離れ小島型」「ふた山型」「絶壁型」「歯抜け型」「裾引き型」等があり、それぞれの型からある程度問題の所在が明らかに出来ます。

最近はデジタルカメラに、撮った写真のヒストグラムを表示する機能が搭載されている機種が多く、横軸は明るさ(左側の方がより暗く、右側の方がより明るい)、縦軸はピクセル数を表していて、その形で写真の明るさがわかります。 これは写真を撮影する時の設定時の目安となり、白飛びや黒潰れなどを回避することが可能です。シャッター速度(SS)、絞り(F値)、感度(ISO)等を調整する時に役立つ機能です。

特性要因図(フィッシュボーン図)

QC7つ道具:特性要因図

特性要因図とは、現在見える問題のある結果や現在は見えないが今後問題となりそうな結果(特性)に対し、その結果に影響していると思われる原因や影響するだろうと思われる原因(要因)を抽出するものです。 簡単に言えば「結果に対する潜在的な原因を探りだす方法」で、特性に対する要因の影響度がはっきりし、真の原因が見えてくるものです。 その形が魚の骨の形に似ているので、「フィッシュボーン図」や「フィッシュボーンチャート」と呼ばれます。 似たような図に「マインドマップ」がありますが、これも特性要因図と似た手法です。

特性要因図を使うと、先入観を排除した課題の洗い出しができ、見える化されることで問題を関係者で共有でき、解決できれば品質が安定し、改善ノウハウが組織の資産として蓄積されます。

真ん中にある太い背骨がテーマです。さらに大骨→中骨→小骨と細かくなっていきます。 モノづくりの場合「大骨」は4Mにするのが一般的です。

散布図

QC7つ道具:散布図

散布図とは、二つ以上の事物の互いの関係を表すもので、結果(特性)と原因(要因)の対データの関係をX軸とY軸でプロットし、相関を見るもの。 関係性があるかどうかがつかむことが出来、関係があるならどんな関係か一目でわかる。

層別

要員別 個人、経験、技能、経験、組(ライン)、熟練度、新旧、男女、年齢、班、直(シフト)
機械別 機械、機種、号機、型式、新旧、構造、金型、治具、工具、性能、ライン、メーカー
原材料別 納入業者、産地、成分、原料、材料、ロット、メーカー、時期
方法別 作業手順、作業方法、作業条件、作業環境、作業場所
測定別 試験機、計測器、場所、測定者、検査員、検査方法
時間別 季節、月、週、曜日、日、昼夜、AM/PM

層別は、データの特徴に注目し、グループに分け解析し、グループによる違いを見るものです。 具体的な道具ではないが、他のQC道具と組み合わせ、4M要素等毎に、分類すれば原因が見えてくることがあります。

※4Mとは人 (Man)、機械 (Machine)、材料 (Material)、方法 (Method)の事です。

3.新QC7つ道具

新QC7つ道具は、数値で表せない事柄(定性的)の分析に利用するツールです。言語データによる分析手法で、上司や同僚に内容を伝わりやすくしたり、問題点を把握しやすくすることが可能です。 新QC7つ道具には「連関図法」「親和図法」「系統図法」「マトリックス図法」「マトリックスデータ解析法」「PDPC法」「アローダイアグラム」があります。

連関図法

原因が複雑に絡み合った問題の解決が可能になる。わかりやすくかつ重要な要因が絞り込める。 原因vs結果、目的vs手段を短文で表現し、絡み合った問題の関係を論理的に繋ぐことで解明できる。

親和図法

言語データを、グループ分けし「整理」「分類」「体系化」する方法。問題の「親和性」「構造」が整理できる。 物事がはっきりしない状態に対し、課題を明確に浮かび上がらせ、本質を突き止める手法。 参画者の意識向上と活性化が図れる。

系統図法

問題の中から対になる要素を決め、行と列に配置することで、問題の所在や形態を多面的に整理し分析することで解決への着想を得る手法。 「系統図法」で展開した方策の重要度や役割分担を決めるのに使用することが可能。

マトリックス図法

目的と手段の系統を複数回展開することで対策を整理する方法。最終的に実行可能な手段・対策にたどり着ける。 「目的を達成するための手段を目的として捉え、再度手段を考える」を複数回実施し、目的と手段を分岐させながら多段階に展開する。

マトリックスデータ解析法

大量の数値データを解析することで問題の整理や解決の糸口を探すことができ良い結論を得ることが可能な手法。 マトリクスで構成された相関図をもとに、複数の変数を持つデータを分析し特徴的な成分を定量的に抽出する手法。

PDPC(Process Decision Program Chart)法

当初の計画や目標が不測の事態により頓挫することを予防する方法。 事前に様々な結果を予測し、対応策を事前に決定しておくことで、進行中のプロセスをできるだけ望ましい方向に導く。

アローダイアグラム
(PERT:Program Evaluation and Review Technique)

問題の解決の作業が絡み合っている場合、作業同士を線で結び、順序関係を表すことにより最適な日程計画を管理する手法。 全体が把握でき、作業進捗チェックが容易で、着工前や計画変更時に問題点が明確になるので踏まえた処置が可能となる。

4.QC問題解決ストーリー

ステップ課題達成型問題解決型施策実行型
1テーマ選定テーマ選定テーマ選定
2現状把握現状把握
3攻め所の明確化対策のねらい所
4目標設定目標設定目標設定
5計画作成
6要因解析
7方策立案
8成功シナリオ追究対策検討対策検討
9成功シナリオ実施対策実施対策実施
10効果確認効果確認効果確認
11標準化標準化標準化
12管理定着管理定着管理定着

この記事は以上です。最後までご覧頂き、ありがとうございました。