初級

【Excel】絶対値の計算と表示(ABS関数)


(約文字)

2015-05-19 2019-07-16

  • Keyword
  • Excel
  • 絶対値
  • 関数
  • 表示
  • 計算

【Excel】絶対値の計算と表示(ABS関数)

  • 「エクセルで数値にマイナス記号を消したい」
  • 「絶対値を計算して表示する関数は?」
  • 「絶対値と絶対参照ってどこが違うの?」

これらを解決するのがABS関数です。

この記事を読めばエクセルの絶対値の疑問や問題を解決できます。

更に、絶対値を含む様々(差分の合計、差分の平均値、差分の最大値、差分の最小値)な計算や、絶対値と絶対参照の違いについても解説します。

説明に使ったエクセルファイルです。ダウンロードして自身の端末で確認してみてください。

1.【知識】絶対値とは?

絶対値とはゼロからの距離

まず初めに絶対値とは何か?ですが「二つの値の差の大きさ」のことです。

言いかえれば「0からの距離」の事です。マイナスを取り除いた値でもあります。

1.【知識】絶対値とは?

数学での絶対値の数式

数学の教科書に出てくる数式は以下です。

たとえば、子供(20歳)と母(50歳)の年齢差を表す場合に使います。

年齢差=|20-50|=30

通常の引き算であれば「-30」とマイナスの値になりますが、絶対値では「30」とマイナス値にならないところがポイントです

絶対値の記号の呼び名

絶対値を表す記号「|」は「垂直バー」「縦線」「縦棒」「パイプ」と呼ばれます。

この「|」は、半角英数モードで【Shift】+【¥】で入力できます。

2.【基本】エクセルで絶対値の表示に使う関数

エクセルで絶対値を表示するのはABS関数を使います。

対応バージョン

  • 365
  • 2019
  • 2016
  • 2013
  • 2010
  • 2007

ABS関数の基本構文

ABS関数の基本構文は以下になります。

=ABS(数値)

ABS関数の引数

ABS関数の引数は一つだけです。

この引数には「数値」を指定します。「セル番地」や「計算式(数式/関数)」も指定できます。

例えば、以下の様な指定が可能です。

  • =ABS(-10)
  • =ABS(A1)
  • =ABS(B1-B2)
  • =ABS(IF(A1="○",A2,B2))

ABS関数の戻り値

ABS関数の戻り値(答え)は、引数に指定した数値からプラス(+)又はマイナス(-)の符号を取り除いた値(絶対値)が返ります。

3.【実例】エクセルのABS関数で絶対値を求める例

例えば、ある親子の年齢差(絶対値)を求める場合、以下の様に指定します。

3.【実例】エクセルのABS関数で絶対値を求める例

単純な引き算で子の年齢(20)から親の年齢(50)を引くと、マイナス値(-30)になってしまいます。

=C4-D4 ※これでは答えがマイナスになる場合がある

そこでABS関数を使えば、プラス値(30)となり、答えが常にプラスの値になります。

=ABS(C4-D4) ※これなら答えがマイナスにならない

4.【応用】絶対値(ABS関数)を含んだ様々な計算

絶対値に対して様々な計算が可能です。

例えば、目標との差分がセルE1~E8に計算してあり、これら差分の「合計」「平均値」「最大値」「最小値」を求める事が可能です。

差分(絶対値)の合計を求める方法

4.【応用】絶対値(ABS関数)を含んだ様々な計算

以下の式の前後にある「{」と「}」は、自分では入力しません。手順を示します。

  • 手順①:「{」と「}」を除いた式をセルに入力する
  • 手順②:キーボードの【Crtl】+【Shift】+【Enter】で確定する

これで「{」と「}」が自動で式の前後に追加されます。

ちなみにこれは配列数式/CSE数式と呼ばれるものです。 簡単に言えば「小計→合計」の小計部分をショートカットしていきなり「合計」できる様な機能です。

{=SUM(ABS(A1:A10))} ※「{」と「}」の入力は上記の注意事項を参照

差分(絶対値)の平均値を求める方法

{=AVERAGE(ABS(A1:A10))} ※「{」と「}」の入力は上記の注意事項を参照

差分(絶対値)の最大値を求める方法

{=MAX(ABS(A1:A10))} ※「{」と「}」の入力は上記の注意事項を参照

差分(絶対値)の最小値を求める方法

{=MIN(ABS(A1:A10))} ※「{」と「}」の入力は上記の注意事項を参照

5.【参考】絶対値と絶対参照は違う

絶対値と絶対参照は違います。

「絶対参照」は数式(計算式や関数)からのセル番地の参照を常に固定する事です。

数式内で指定しているセル番地に$マークを付けることで絶対参照に設定できます。

例えば、セルA1を絶対参照する場合は「$A$1」と$記号を付けます。

絶対参照については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

まとめ

このページでは、エクセルの「絶対値の計算と表示の関数」について、以下を解説してきました。

  • ・絶対値とは二つの値の差の大きさ(ゼロからの距離)の事
  • ・エクセルで絶対値の表示に使う関数はABS関数
  • ・絶対値(ABS関数)を含んだ様々な計算(合計、平均値、最大値、最小値)の計算も簡単

ご理解いただけましたでしょうか?

次は、あなたが実際にエクセル上で実際に作業してみて下さい。 自分の手を動かすことが、パソコンスキル向上の近道です。

この記事は以上です。

この記事は以上です。最後までご覧頂き、ありがとうございました。