中級

エクセル作業で
範囲指定~データ入力を
素早く行うコツ


(約文字)

2018-06-04 2019-05-20

Excelで時短する時のデータ入力のコツ。

エクセルでデータを入力する手順は「①文字やデータや計算式を入力するセルを指定する」「②文字やデータや計算式をセルに入力する」の繰り返し作業です。簡単に言えば、「①範囲選択」「②情報入力」ということです。 この二つの作業を「ショートカットキー」で行えば時間短縮が出来ます。まずは「ショートカットキー」とは何かを説明し、その後覚えておきたい「ショートカットキー」をご紹介します。

1.「ショートカットキー」とはマウスを使わない作業方法

エクセル含めパソコン作業で”何かを選択する時”は”マウス”を使うのが一般的です。 例えば、Windowsパソコンの場合、アプリケーション(ソフトウェア)やファイルの切り替えは、画面下部のタスクバーからアプリケーションやファイルをマウスで選択します。 又、エクセルでシートを切り替える場合はシート見出しタブをマウスで選択しますし、エクセルでセルを選択する場合もマウスで選択します。

この様に、何かを選択する場合、”キーボードから手を離してマウスを持つ~マウスからキーボードに手を戻す”が必要ですが、”これ全く付加価値を生んでいません”。 よって、これらの作業を無くすことが作業のムダを無くすことに繋がり、効率アップや時間短縮につながります。 そこでマウスに持ち替える必要が無く作業ができる「ショートカットキー」の利用をご提案します。これは新たに新しい道具を準備したり購入したりする必要はありません。 パソコンに付属しているキーボードがあれば「ショートカットキー」は誰でも利用できます。

具体的なショートカットキーを説明する前に、どれぐらいの時間短縮につながるのか例を挙げて説明してみましょう。 【マウス】+【キーボード】を使う場合の動き[パターンA]と、【ショートカットキー】を使う場合の動き[パターンB]を比較してみます。

1-1.[パターンA]【マウス】+【キーボード】を使う場合の動き

  • 手順1:キーボードから右手を離す
  • 手順2:マウスを右手で持つ
  • 手順3:マウスを右手で動かす
  • 手順4:アイコンを右手でクリックする
  • 手順5:キーボードに右手を戻す

[パターンA]は5つの動作です。

1-2.[パターンB]【ショートカットキー】を使う場合の動き

  • 手順1:キーボードでショートカットキーを押す

[パターンB]は1つの動作です。

1-3.ショートカットキーによる効果

5つの動作が1つの動作で済むようになることはわかって頂けたと思いますが、あなたの作業をこのショートカットキーに置き換えることで時間短縮が可能です。 置き換えた場合の時間短縮がどれぐらいになるか見積りしてみます。

ショートカットキーの活用による時間短縮は一つの動作では1秒程度と短時間ですが、[パターンA]を[パターンB]に一日で500回の動作を改善できれば500秒=約10分の時間短縮が可能です。 これを1年間に換算すると10分×250日=2500分=40時間=約5日分と大きな時短が短縮可能になるのです。もし50人の社員がショートカットキーで作業するなら5日×50人=250日(約1名)分の作業が減らせます。 この様にショートカットキーを社員みんなで実践すれば効率アップし、残業も減って業績アップとなり、社員も幸せになるでしょう。

ショートカットキー操作を覚えるのは、はじめは大変ですがすぐ慣れます。一度覚えれば後はずっと「早く」「楽に」「正しく」作業が出来るので、ストレスが減ります。 エクセルには沢山のショートカットキーが用意されていますが、全てを覚える必要はありません。良く使うショートカットキーだけ知っていれば作業がはかどっています。 そこで、範囲指定と情報入力の作業で私がよく使うショートカットキーを紹介します。

2.範囲選択のショートカットキー

2-1.ワークシート切り替え

左のシート:【Ctrl】キー+【PgUp】キー
右のシート:【Ctrl】キー+【PgDn】キー

これはエクセルで編集したいシートの切り替えができます。 エクセルファイルを開いた状態で【Alt】キー+【PgUp】キーを押すと左のシートに選択が切替ります。【Alt】キー+【PgDn】キーを押すと右のシートに選択が切替ります。

2-2.一行選択する

【Shift】キー+【Space】キー

これはエクセルシートで一行全体(横方向全て、例えばA1セル~XFD1セル)を選択状態にすることが出来ます。

2-3.一列選択する

【Ctrl】キー+【Space】キー

これはエクセルシートで一列全体(縦方向全て、例えばA1セル~A1048576セル)を選択状態にすることが出来ます。

2-4.セル全体を選択する

【Ctrl】キー+【Shift】キー+【Space】キー

これはエクセルシートで全てのセルを(縦方向全て、例えばA1セル~XFD1048576セル)を選択状態にすることが出来ます。上記の”1行選択する”と”1列選択する”の組合せ技です。 全ての列幅を調整したり、全ての行高さを指定したりする場合に便利です。ちなみに【Ctrl】キー+【A】キーでもシート全体を選択することが出来ます。

2-5.離れたセルを選択する

【Ctrl】キー+【左クリック】キー

【Ctrl】キーを押しながら、離れたセルをマウスで選択できます。離れたセルをマウスで選択する場合に左クリックを押したままドラックを行うと、範囲指定もできます。

2-6.範囲選択する

【Shift】キー+【左クリック】キー

起点となるセルを指定し、【Shift】キーを押しながら終点となるセルを選択すると、範囲が指定できます。【Ctrl】キーと組み合わせると離れたセルを選択することが出来ます。

3.情報入力のショートカットキー

3-1.セルを編集モードにする

【F2】キー

編集したいセルを選択して、キーボードの上段左の方にある【F2】キーを押すと、選択したセルの内容が編集できる状態になる。選択して編集状態にして編集するの繰り返しなので、実際の編集作業では一番使うショートカットキーです。

3-2.貼付け

【Ctrl】キー+【V】キー

以下で紹介している”切り取り”や”コピー”してクリップボードに一時的に保存されている内容を、選択したセルに貼り付けます。 便利な使い方として、切り取りやコピーした状態で貼り付けがしたいセルの上でマウスの右クリック(【Alt】キー→【E】キー→【S】キー)から[形式を選択して貼り付け]で”数式だけ”、”値だけ”、”書式だけ”、”コメントだけ”等を選択して貼り付けすることが可能です。

3-3.切り取り

【Ctrl】キー+【X】キー

切り取りしたいセル(セル内容)を選択して、キーボードの左下ある【Ctrl】キーを押しながら【X】キーを押すと、選択した内容がパソコン内に(クリップボード)一時的に保存されます。元のセルからは選択した内容を切り取られて無くなります。

3-4.コピー

【Ctrl】キー+【C】キー

コピー(複写)したいセル(セル内容)を選択して、キーボードの左下ある【Ctrl】キーを押しながら【C】キーを押すと、選択内容をパソコン内に(クリップボード)一時的に保存されます。元のセルからは選択した内容がコピーされるだけなので無くなりません。

4.Windowsのショートカットキー機能

4-1.ファイルの上書き保存

【Ctrl】キー+【S】キー

このショートカットキーはファイルの内容を上書き保存します。私が一番使うショートカットキーだと思います(大体5分毎)。 誰でもパソコンが固まって長時間の作業が無駄になった経験をお持ちでしょうが、上書き保存の頻度を高めると作業のやり直しのリスクが減らせます。

4-2.アプリケーション(ファイル)切り替え(Windowsの機能)

【Alt】キー+【Tab】キー

これはWindows上で、開いているエクセルファイルやワードファイルの作業対象を切り替える方法です。【Alt】キーを押したまま【Tab】キーを押すことでアプリケーションの切り替えができます。 複数のアプリケーションを開いた状態で【Alt】キー+【Tab】キーを一度押すと開いているファイルが一覧表示されますので、【Alt】キーを押したまま【Tab】キーを必要な回数押して、 切り替えたいアプリケーション(ファイル)を選択した状態で【Alt】キーと【Tab】キーを離すと切り替えができます。

5.ショートカットキーの押し方

ショートカットキーの押し方ですが、初めての場合はコツが必要となり、例として”ファイルの上書き保存:【Ctrl】キー+【S】キー”で説明すると以下の手順になります。

  • 手順1:【Ctrl】キーをキーボードの左下のキーを左手親指で押したままにする。
  • 手順2:【S】キーを左手人差し指で押して離す(”ポンっ”という一瞬だけ)。
  • 手順3:【Ctrl】キーと【S】キーをキーボードから離す。

これでファイルの上書き保存が実行されます(画面の変化は殆どありませんが、エクセルの画面の下部にあるステースタスバーに[保存中]の文字が一瞬だけ表示されファイルが更新されます)。

ショートカットキーについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

6.ショートカットキー関連で気になること

エクセル画面の上部にあるクイックツールバーに、よく使うコマンドを追加し【Alt】キーでショートカットキーとして使う方法があります。最近のエクセルで追加された機能ですがこちらはあまりオススメしません。 オススメしない理由は、汎用性が低く、「あなたのパソコン」さらには「エクセルのみ」で使えるショートカットキーとなり、他の方のパソコン、他のアプリケーションソフトでは、この技が使えない、汎用性が低い方法だからです。

折角大変な思いをするなら、長期的に、汎用性の高い方法を覚えるのが良いと思うのですがいかがでしょうか? 【Ctrl】キー、【Alt】キー、【Shift】キーと組み合わせると沢山のショートカットキーが用意されていますので少しずつ覚えて、実際に使ってください。

7.この記事で紹介したショートカットキー一覧

対象 機能 ショートカットキー
Excel ワークシート切り替え 【Ctrl】+【PgUp】
【Ctrl】+【PgDn】
Excel 一行選択する 【Shift】+【Space】
Excel 一列選択する 【Ctrl】+【Space】
Excel セル全体を選択する 【Ctrl】+【Shift】+【Space】
Excel 離れたセルを選択する 【Ctrl】+【左クリック】
Excel 範囲選択する 【Shift】+【左クリック】
Excel セルを編集モードにする 【F2】
Excel 貼付け 【Ctrl】+【V】
Excel 切り取り 【Ctrl】+【X】
Excel コピー 【Ctrl】+【C】
Windows/Excel ファイルの上書き保存 【Ctrl】+【S】
Windows アプリケーション(ファイル)切り替え 【Alt】+【Tab】

この記事は以上です。最後までご覧頂き、ありがとうございました。