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エクセルで様式を作成するコツ


(約文字)

2018-08-20 2019-05-20

エクセルで様式を作成する時のコツ。

エクセルで様式を作成する時のコツ。

時間短縮のためのExcel作業として、依頼者と共有したイメージに近づくようにエクセルで様式に作成する私のコツは自分の標準として「全体フォーマット」と「個別要素」の二つをMYルールとして決めています。 このルールがあると作るたびに、考えたり、悩んだり、迷ったりが、ゼロになり、無駄な時間の短縮につながります。

1.MYルールの狙い

MYルールの狙いは大きく分けて2つあり、「作成ルールの明確化」「改善の道具として活用」ことです。 ISO9001やISO14001などのマネジメントシステムの文書化した情報として計画や記録の様式を考える場合に役立ちます。

”MYルール”が存在することにより、エクセルデータの作り方、作業する毎に見た目が異なる等、作業や管理のバラツキから発生するムダを少なくして、効率を向上させることができます。 副次作用として、いつも資料の見た目が同じで個性が生まれ、著者名が記入されていない場合でも、誰が作ったものか何となく判断でき、共有プリンタへの印刷時や、ファイリングしてあるものを引っ張り出したときに、他の方が認識しているため、自分で探す手間が省けます。

エクセルの資料作りに関してムダ・ムリ・ムラを見つける、正常と異常を区別する等、MYルールを改善の為のチェックツールとして利用することができます。 「標準の無い所に改善は無い」と言われるように、MYルールはその作業の何が良くて、何が問題かor異常かを判断する為の基準となります。 P(計画)-D(実行)-C(評価)-A(改善)サイクルの中でMYルールは、【P】計画と【C】評価で活用出来ます。

2.「全体フォーマット」のMYルール

全体レイアウト

これは「1.作業準備:依頼内容を確認し、依頼者と出来上がりのイメージを共有する」に関連する内容です。

まず全体的なレイアウトですが、資料を見る人が内容を目にする順番として、上から下、左から右に視線が動きます。ですので、この順番に見てもらうように、全体フォーマットを決めます。

よく結論を先にといわれますが、日本語は結論が「最後」に来る言葉ですし、仕事の流れに沿った順に作ると資料のストーリーが判りやすいこともあります。

と言うわけで、一枚の用紙の中であれば、結論がどこにあっても、大して変わらないと思います。但し、直ぐに見つけやすい様に、文字を大きめにしたり、色を変えたり、枠線で囲ったりして、目立つ様にしておきましょう。

又、計画と実績が一目でわかるようなフォーマットにすることも良いです。更に計画や実績は長期的な傾向(トレンド)が把握できるようにしておくと良いです。この場合、時間は左から右へ進む様な軸にしましょう。

要素配置(上段-左)

タイトルはシートの左上1~2行目のセルを結合し文字を入力しましょう。少し大きめに20ポイントぐらいで、書体は太く、ゴシック体にしましょう。

要素配置(上段-右)

右上には文書毎の識別番号や、責任・権限の明確化の為の作成者・確認者・承認者の押印欄を設けます。 又、資料に作成日を入れることも大事です。日付は和暦ではなく西暦で年4桁、月2桁、日2桁とYYYY年MM月DD日の形で入れるのをおすすめします。 和暦は短い期間でリセットされ1からスタートしますので、間違えやすいです。 又公的な機関でも和暦より西暦を使うよう推奨されています。

要素配置(下段)

必要により文書の改訂履歴を下段に設けると、”いつ”、”誰が”、”何を”、”なぜ”、変更したかが明確になり、更に最新版の管理がしやすくなります。 最新の識別として版(数値01、02、03、...や記号a、b、c、...)、制定・改訂・廃止、改廃日、内容や理由、承認者、確認者、作成者を入れておきましょう。

3.「個別要素」のMYルール

表ですが、列と行にどんな要素を持ってくるか事前によく検討しましょう。仕上がりが縦長なのか、横長なのかも考慮する必要があります。 中身が数値の場合、縦ならんでいれば比較しやすいですしソートもしやすいですが、横に並びると時系列にトレンドが分かりやすい場合もあります。

列方向は、左から時系列でプロセスの順番(計画→運用→評価→改善)になるようにするとか、分類順(大分類→中分類→小分類)等に並べると、分かりやすい表になります。 一番左の列に1.2.3...と通し番号をつけておくと、ソートをかけた後に、いつでも元の並びに直すことが出来ます。 列の幅も統一すると印刷時の調整が簡単ですが、セル内の値の長さで結合するセル数を調整する必要があるので、列選択して列番号間にある区切り線のダブルクリックで自動調整するのがいいでしょう。(セル幅を一気に調整する(←|→。複数列の調整も可能))

行方向は、絞り込み(フィルター)や並び替え(ソート)が出来るようにするといいです。表の途中に空白の列や行が出来ない様に、ひとつに繋がった表を作る必要があります。 行の高さや列の幅を統一するために、複数の行を結合させると印刷時の調整が簡単です。 セル内の文字が多くて、セル内で自動改行(セルの書式設定>配置>文字制御>折り返して全体を表示する)又は手動改行([Alt]+[Enter])を使う場合は、2行を結合すると一括で調整が出来ます。

グラフ

グラフはセルの角にぴったりとつけておくと調整が楽です。[Alt]キーを押しながらグラフのサイズを調整するとセルの角に合わさるようにサイズが決められます。 グラフにはタイトル、サンプル数(n数)、軸の要素と単位、を最低限入れておきましょう。 グラフには内容を沢山詰め込みすぎて要点が解らなくならない様に、出来るだけシンプルなグラフを作ることを心がけましょう。

文書

セルの書式設定ダイアログボックスを表示するショートカットキーは[Ctrl+1]です。

タブ(種類)MYルール
表示形式標準「基本的にこれを選ぶ」
数値「小数点以下1桁」
パーセンテージ「小数点以下1桁」
日付「西暦」 ユーザー定義で詳細設定YYYY月MM月DD日(aaa)
配置文字の配置(横位置、縦位置)
文字の制御(折り返し、縮小、セル結合)
左から右(文字の方向)
方向(縦書き、確度)
フォントフォント名「MS UI Gothic」
スタイル「標準」
サイズ「10.5」
色「黒」「赤」「グレー」
罫線「点線」「細線」「太線」
塗りつぶし「色なし」「グレー」「黒色」「黄色」
「保護」ロック、表示しない

文字

文字の全角・半角に関してもMYルールを作っておきましょう。

文字種MYルール
漢字全角(そもそも半角になりません)
ひらがな全角(そもそも半角になりません)
カタカナ全角(半角カタカナは文字化けの可能性があるので使わない)
英字基本は半角(必要により全角(例えば一文字の場合は全角にする))
数字1桁は全角、2桁以上は半角(例えば、一桁なら”8”、2桁以上なら”890”とする)
記号基本は半角(必要により全角)

4.文字の整形は事前に行う

エクセルで作業する前に、”秀丸(有料)”や”メモ帳(Windows付属)”等のテキストエディタで文字を整形しておくと、作業が早まります。 特に、検索&置換の機能を使うと、作業が早く楽に、品質の高い、仕事ができます。 テキストエディタで入力した”Tab”がセルの区切りになり、”改行”が改行になります。

オススメ秀丸マクロ

又、全角や半角を揃えるのは”秀丸”のマクロ機能を使うと便利です。私がインストールして使っているのは半閣下(全角→半角)全閣下(半角→全角)です。 ”カナ”、”英字”、”数字”、”記号”、”これら全て”に対して一括で変換してくれます。

この記事は以上です。最後までご覧頂き、ありがとうございました。