【Excel】
消費税(8%)を自動計算する数式
(10%への税率変更も簡単対応)
約~分
(約文字)
2015-05-22 2019-06-14
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- Excel
- 消費税
- 8%
- 10%
- 計算式
- 自動計算

エクセルで消費税を計算する方法を初心者さんにもわかりやすく解説します。
この記事では、エクセルの消費税の計算式について紹介します。
消費税の計算で「端数の処理はどうする?」「小計と合計のどちらで計算する?」等で悩みます。
そんな消費税の計算の様々なお悩みを解決するのがこのページ「消費税の計算式 8%/10%への税率変更にもすぐ対応できる自動計算」です。
これを読めば、エクセルの消費税の計算式の基礎である端数の処理、計算の対象、計算手順等が、一気に解決します。
この記事の目次
1.【基礎】消費税の端数の処理はどうするのが一般的か?
消費税が8%の場合、小数点以下の端数が出てしまう場合があります。例)95円×8%=7.6円など。
この小数点以下の値(この場合0.6円分)の処理は「①切り上げ」「②切り捨て」「③四捨五入」どれを選んでもよいみたいです。
「②切り捨て」か「③四捨五入」で計算する場合が多い様です。
(消費者側は、切り上げられて1円でも高くなるのは気分が悪いですし、企業側もたったの1円で顧客満足が下がるのは避けたいからでしょう)
1-1.消費税の計算(①端数を切り上げる場合)
消費税の小数点以下を「切り上げ」る計算方法はROUNDUP関数を利用します。以下の様に指定します。
=ROUNDUP(引数1,引数2)
引数1には、切り上げ対象の「数値」「計算式」「セル番地」を指定します。
引数2には、切り上げたい「桁数」を指定します。(具体的な指定方法を以下で解説)
1-2.消費税の計算(②端数を切り捨てる場合)
消費税の小数点以下を「切り捨て」る計算方法はROUNDDOWN関数を利用します。以下の様に指定します。
=ROUNDDOWN(引数1,引数2)
引数1には、切り捨て対象の「数値」「計算式」「セル番地」を指定します。
引数2には、切り捨てたい「桁数」を指定します。(具体的な指定方法を以下で解説)
1-3.消費税の計算(③端数を四捨五入する場合)
消費税の小数点以下を「四捨五入」る計算方法はROUND関数を利用します。以下の様に指定します。
=ROUND(引数1,引数2)
引数1には、四捨五入対象の「数値」「計算式」「セル番地」を指定します。
引数2には、四捨五入したい「桁数」を指定します。(具体的な指定方法を以下で解説)
2.【基礎】エクセルで端数を丸める時の桁数の指定はどうする?
上記の①~③で、引数2の「桁数」は、何を指定をしたらよいのでしょうか?皆さんの参考となるとおもい、色々と調べてみました。
引数1には"999.123"とダイレクトに値を入れ、引数2(桁数)を変えることで答え(戻り値)が、どう変化するか確認しました。
2-1.切り上げ処理
=ROUNDUP(999.123,0)→1000(端数が出ないのでOKだが、切り上げられているのでNG)
=ROUNDUP(999.123,1)→999.2(端数が出るのでNG)
=ROUNDUP(999.123,2)→999.13(端数が出るのでNG)
=ROUNDUP(999.123,3)→999.123(端数が出るのでNG)
2-2.切り捨て処理
=ROUNDDOWN(999.123,0)→999(端数が出ない&切り上げの可能性もなくOK)
=ROUNDDOWN(999.123,1)→999.1(端数が出るのでNG)
=ROUNDDOWN(999.123,2)→999.12(端数が出るのでNG)
=ROUNDDOWN(999.123,3)→999.123(端数が出るのでNG)
2-3.四捨五入
=ROUND(999.123,0)→999(端数が出ないのでOKだが、切り上げの可能性がありNG)
=ROUND(999.123,1)→999.1(端数が出るのでNG)
=ROUND(999.123,2)→999.12(端数が出るのでNG)
=ROUND(999.123,3)→999.123(端数が出るのでNG)
【結論】「消費税の端数の丸めの計算では、ROUNDDOWN関数を使い引数2は「0」を指定すればよい」
3.【基礎】消費税をかけるのは小計?合計?
消費税の計算の手順は以下の2種類がありますが、計算結果が微妙に異なる場合があるので注意が必要です。
- [A]小計に消費税をかけてから合計する
- [B]小計を合計してから消費税をかける
[B]の方が安いので、消費者はこちらで計算してほしいと考えるでしょう。
4.【基礎】エクセルで消費税を求める手順と計算式
ひとつのセルに式を入力して一気に消費税額を求めるのは、初心者の方には難しいので、一つずつ順を追って求めましょう。(今回は「②切り捨て」で計算します。)

【手順1】商品毎の小計を求める計算式(税抜き)
=B2*C2、=B3*C3、=B4*C4、
【手順2】合計を求める計算式(税抜き)
=SUM(D2:D4)
【手順3】消費税額を求める計算式
=ROUNDDOWN(D5*0.08,0)
【手順4】税込額を求める計算式
=D5+D6
となります。ひとづずつ順を追って計算していくと、簡単に出来ると思います。
5.【応用】一つのセル内でまとめて計算する方法
ひとづずつ順を追って計算していくと、簡単に出来ると言いましたが、ひとつのセルの中でまとめて計算するなら以下の式を指定すれば、一気に計算することが可能です。
=ROUNDDOWN(SUM(D2:D4)*1.08,0)
とすれば求められます。
6.【応用】エクセルで消費税(8%)抜きの本体価格を計算する方法
A1セルに消費税込みの金額が入っている場合は、以下の計算式で消費税を抜いた本体価格が計算できます。 これは端数を「②切り捨て」にて計算してある、消費税込み金額の場合です。
=ROUNDDOWN(A1/1.08,0)
※2018-08-01間違いを訂正しました(誤:ROUNDUP → 正:ROUNDDOWN)。
7.【参考】日本の消費税の歴史(いつから10%?)
日本の消費税の歴史と、消費税が10%になるのはいつからなのか、メモしておきます。
税率 | 施行 | 首相 | 備考 |
---|---|---|---|
3% | 1989年(平成元年)4月 | 竹下登 | |
5% | 1997年(平成9年)4月 | 橋本龍太郎 | |
8% | 2014年(平成26年)4月 | 安倍晋三 | |
10% | 2019年(令和元年)10月(予定) | 安倍晋三 | (1)2015年10月~を延期 (2)2017年4月~を再延期 (2)2018年4月~を再々延期 |
2019年10月から実施予定の消費税の増税(8%→10%)にあたり、景気対策の一環としてキャッシュレス決済での買い物を対象にポイント還元を政府が検討しています。
小さなお店のキャッシュレス決済導入については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
8.【参考】世界の消費税(付加価値税)の比較
参考として、世界の消費税(付加価値税)を調べてみました。100か国以上で導入されているとのことです。2016年(平成28年1月)時点の税率です。
国名 | 税率 | 人口(万人) |
---|---|---|
デンマーク | 25% | 573 |
スウェーデン | 25% | 990 |
ノルウェー | 25% | 523 |
イタリア | 22% | 6060 |
ベルギー | 21% | 1135 |
イギリス | 20% | 6564 |
オーストリア | 20% | 874 |
フランス | 20% | 6690 |
ドイツ | 19% | 8267 |
中国 | 17% | 137900 |
ニュージーランド | 15% | 469 |
フィリピン | 12% | 10330 |
韓国 | 10% | 5125 |
インドネシア | 10% | 26110 |
日本 | 8% | 12700 |
タイ | 7% | 6886 |
シンガポール | 7% | 560 |
台湾 | 5% | 2357 |
カナダ | 5% | 3629 |
9.【参考】消費税の計算で、参考になるサイト
エクセルで消費税を計算する方法や注意点まとめ
このページでは最初に消費税の基礎知識を解説し、その後Excelでの消費税計算方法とその注意点を、プロの視点で詳しく紹介されています。
書籍を出されていたり、セミナーを開催したり、エクセルに関してWEB以外でも活躍されている公認会計士の羽毛田睦土さんの記事になります。
まとめ
このページでは、エクセルの「消費税」の計算について、以下を解説してきました。
- ・消費税の端数の処理は「②切り捨て」か「③四捨五入」するのが一般的です。
- ・エクセルの消費税の計算で、端数の丸め処理にはROUNDDOWN関数を使い、引数2は「0」を指定するのがよい。
- ・エクセルで消費税を求める具体的な手順は「小計」→「合計」→「税額」→「税込額」と順を追えば簡単。
- ・一方、一つのセル内で一気にまとめて計算することも可能。
- ・逆に、消費税の除いた本体の価格を計算することも可能。
- ・日本の消費税の歴史3%(1989)→5%(1997)→8%(2014)→10%(2019?)
ご理解いただけましたでしょうか?
次は、あなたが実際にエクセル上で実際に作業してみて下さい。 自分の手を動かすことが、パソコンスキル向上の近道です。
この記事は以上です。