【Excel】数値の四捨五入 計算式の設定はROUND関数が便利
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2015-05-15 2019-07-09
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- ROUND関数
【Excel】数値の四捨五入 計算式の設定はROUND関数が便利
この記事では、エクセルで四捨五入の設定方法や計算式の指定について解決します。
エクセルで数値の端数を四捨五入したい場合、計算式の指定をどうすれば良いのか悩みますね。
そこで、エクセルの四捨五入を解決するの”ROUND関数”です。
ROUND関数の使い方を理解すれば、エクセルの様々な場面で利用することがある四捨五入の悩みが解決します。
説明で使用したエクセルファイルです。ダウンロードして自身の端末で確認してみてください。
この記事の目次
1.【知識】Excelで数値の端数処理に使える一般的な関数
エクセルの数値の端数を丸める場合、エクセルに用意されている関数の利用が便利です。
エクセルの関数を利用すると「四捨五入」「切り上げ」「切り捨て」の端数の処理が簡単・確実に出来ます。
1-1.各関数の機能を比較
種類 | 関数 | 読み方 | 使用例 |
---|---|---|---|
切り上げ | ROUNDUP関数 | ラウンド アップ | 1234.56→1234.6 |
四捨五入 | ROUND関数 | ラウンド | 1234.56→1234.6 |
切り捨て | ROUNDDOWN関数 | ラウンド ダウン | 1234.56→1234.5 |
1-2.関数の覚え方
3つの関数の名前には共通で”ROUND”が付きます。
- ・ROUNDにプラスして「UP」が付くと”切り上げ”のROUNDUP関数です。
- ・ROUNDに何もプラスされないのは”四捨五入”のROUND関数です。
- ・ROUNDにプラスして「DOWN」が付くと”切り捨て”のROUNDDOWN関数です。
1-3.三つの関数は似ている
ROUND関数、ROUNDUP関数、ROUNDDOWN関数は使い方が似ています(一緒)。
ですので、どれか1つだけ覚えてしまえば、他の関数もすぐ使えます。
この記事では”四捨五入”できる”ROUND関数”を説明します。
2.【基礎】四捨五入の関数(ROUND関数)の基本構文の設定
対応バージョン
- 365
- 2019
- 2016
- 2013
- 2010
- 2007
基本構文
2-1.ROUND関数の基本構文
ROUND関数の基本構文は以下です。
=ROUND(数値,桁数)
ROUND関数には2つの引数があり、それぞれ以下を指定します。
2-2.ROUND関数の引数1「数値」の指定
ROUND関数の引数1は、四捨五入の対象となる”数値”を指定します。
この数値は通常「セル番地(例えば、A2)」「計算式(例えば、A2/3)」を指定することが多いです。
また「数値(例えば、123.456)」を直接指定することも出来ます。
2-3.ROUND関数の引数2「桁数」の指定
ROUND関数の引数2は、四捨五入する”桁数”を指定します。
この桁数は、通常「数値(例えば、1)」を指定することが多いです。
また「セル番地(例えば、A2)」や「計算式(例えば、A2*2)」を指定することも出来ます。
3.【基礎】ROUND関数の桁数指定と計算結果の関係
ROUND関数の桁数の指定と計算結果(戻り値)の関係を説明します。
結論は「桁数(引数2)にはROUND関数で求めて表示したい桁数を指定する」です。
3-1.【図解】ROUND関数
エクセルの丸め処理を図解すると以下の様になります。
一見複雑そうにですが、じっくり眺めて頂ければ理解できると思います。
3-2.ROUND関数の桁数指定と計算結果を比較
以下でROUND関数の桁数指定と計算結果を具体例で整理します。
ここでは引数1の数値を”123.4567”として説明します。
この様に「引数2の”桁数”とROUND関数で求めたい”桁数”の関係性が大事」です。
4.【計算式】Excelで四捨五入するROUND関数の設定
ここからは、エクセルのROUND関数で端数を四捨五入する方法を具体例で説明します。
4-1.【例題】四捨五入/ROUND関数
ここでの例題としては「円の面積」を求めて、端数を四捨五入したいと思います。条件は以下になります。
- 【条件①】円の半径は、セルB3に入力する
- 【条件②】円の面積は、少数第一位まで求める
4-2.【引数1】四捨五入の対象となる「数値」の設定
ROUND関数の引数1:数値には、”円の面積”を求める式を指定します。
円の面積はπr2(パイ・アール・ジジョウ)で求められます。
これをエクセルの計算で使える形にすると以下になります。
- ・π→「PI()」(PI関数)
- ・2乗→「^2」
よって数値(引数1)は「PI()*B3^2」と指定します。
4-3.【引数2】四捨五入する「桁数」の設定
ROUND関数の引数2:桁数には、四捨五入する桁として”値”を指定します。
今回は小数第2位を四捨五入し小数第1位まで求めたいので、桁数(引数2)は「1」と指定します。
4-4.【数式】四捨五入(ROUND関数)の計算式
ROUND関数の2つの引数(数値&桁数)が決まったので、ROUND関数の構文に従って組立てます。
ROUND関数の構文は上記で説明した様に「=ROUND(数値,桁数)」です。
関数の構文に、上記の2つの引数(「数値の設定」「桁数の設定」)をあてはまると、以下の式になります。
=ROUND(PI()*B3^2,1)
これでROUND関数が完成し、円の面積が小数第一位まで求められました。
【参考】四捨五入(ROUND関数)その他の計算指定
上記では「=ROUND(PI()*B3^2,1)」と指定しました。
この「PI関数」と「^記号」を使わないで計算することも可能です。
- ①PI関数を「3.14159265358979」に置き換える
- ②B3^2を「B3*B3」に置き換える
実際に置き換えた数式は以下です。
=ROUND(3.14159265358979*B3*B3,1)
5.【応用】千円単位や百万円単位で四捨五入する方法
企業の売上等で大きな金額を扱う場合に、その単位を「XXX千円(K)」や「YYY百万円(KK)」と表示して見やすくしたい場合があります。
この場合、ROUND関数を応用すれば四捨五入し更にに千円単位や百万円単位で数値を表示することも可能です。
大きな数字に単位を付けて見やすくする方法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
6.【注意】セル表示形式による四捨五入は要注意
エクセルで端数の四捨五入には2種類あります。
- ①ROUND関数による計算
- ②セルの表示形式の設定
②セルの表示形式で設定した場合、見た目だけが四捨五入されて、実際の数値は四捨五入されないので、他の計算から参照すると答えに誤差が生じます。
もし、四捨五入した値を他の数式や関数から参照する場合は、①ROUND関数による計算で実際に四捨五入された値を使いましょう。
7.【参考】消費税の端数は「四捨五入」「切り上げ」「切り捨て」どれが妥当か?
消費税の端数処理は悩みどころです。
法律的には「四捨五入」「切り上げ」「切り捨て」どれでもOKの様です。
但し、一般的に利用されているのは「切り捨て」です。お客様のことを考えればこれが妥当でしょう。
エクセルによる消費税の計算は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
8.【参考】Excelで端数処理に使えるその他の関数
エクセルで端数処理に使える関数はいろいろとあります。
分類 | 関数名 | 関数概要 |
---|---|---|
切り上げ系 | ROUNDUP関数 | 数値を切り上げる。桁数の指定が必要。 |
CEILING.MATH関数 | 数値を最も近い整数、又は、最も近い基準値の倍数に切り上げる。 | |
四捨五入系 | ROUND関数 | 数値を指定した桁数に四捨五入する。桁数の指定が必要。 |
MROUND関数 | 指定した値の倍数になるように数値の切り上げあるいはキリストを行う。 | |
切り捨て系 | ROUNDDOWN関数 | 数値を切り捨てる。桁数の指定が必要。 |
TRUNC関数 | 小数点以下を切り捨てる。デフォルトは桁数が0なので省略可能。 | |
INT関数 | 小数点以下の数値を切り捨てる。 | |
FLOOR.MATH関数 | 最も近い整数、又は、最も近い基準値の倍数に切り下げる。 |
まとめ
このページでは、エクセルの「四捨五入の計算式の設定方法」について、以下を解説してきました。
- ・Excelで丸め処理はROUND関数(四捨五入)、ROUNDUP関数(切り上げ)、ROUNDDOWN関数(切り捨て)で可能
- ・四捨五入の関数(ROUND関数)の基本構文は”=ROUND(数値,桁数)”と設定
- ・ROUND関数は、求めたい桁数を指定すると右隣の桁が四捨五入される
- ・ROUND関数で円の面積を求めて四捨五入するには”=ROUND(PI()*A2^2,0)”と設定
- ・ROUND関数を応用すれば、千円単位や百万円単位で四捨五入して表示が可能
- ・消費税の端数は「四捨五入」「切り上げ」ではなく「切り捨て」が妥当
ご理解いただけましたでしょうか?
次は、あなたが実際にエクセル上で実際に作業してみて下さい。 自分の手を動かすことが、パソコンスキル向上の近道です。
この記事は以上です。